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第二種電気工事士

第二種電気工事士 複線図の書き方5ステップ【単線図からの変換手順を図解】

第二種電気工事士学科試験の配線図520問のうち複線図関連は約22%。単線図から複線図への変換を5ステップで解説し、単極・3路・4路スイッチの頻出パターン、よくある誤り、技能試験との橋渡しまで網羅します。

公開 2026年4月18日10
複線図は「単線図から実際の配線を書き起こす実践スキル」であり、学科試験では115問(配線図520問の22.1%)、技能試験では全13課題すべてに絡む。資格クエストDBの分析では、複線図系問題(リングスリーブ・心線数・差込形コネクタ)を正答率80%以上にするだけで、配線図20問中約4〜5問を確実に上乗せできる計算になる。本記事では「5分で1回路を書き切る」状態に到達するための具体的な手順を解説する。

単線図と複線図——何が違うのか

電気工事の図面には大きく2種類あります。設計段階で使う単線図と、施工・検証に使う複線図です。試験では単線図が問題として与えられ、そこから複線図を頭の中(または試験用紙の余白)で展開して解答する力が問われます。

種類電線の描き方わかること主な用途
単線図複数本をまとめて1本の線で表現回路の全体構成・器具の配置設計図面・試験問題
複線図電線を1本1本、色(黒・白・緑)ごとに描く電線の本数・接続点・スリーブの数施工・電線本数の確認・技能試験

単線図だけを見ると「電線が何本必要か」「スイッチがどの照明を制御しているか」が 一目ではわかりません。複線図に展開することで、ジョイントボックス内の 接続本数やリングスリーブのサイズが確定します。

学科・技能でどう出題されるか——DB分析

資格クエストDBに収録された2015〜2024年・全26セッション・1,300問のうち、配線図カテゴリは520問(40%)を占めます。その520問を設問タイプで分類すると、複線図を書かなければ解けない問題は次のとおりです。

設問タイプ問題数割合1回あたり
リングスリーブの圧着接続・刻印・最少個数46問8.8%約1.8問
電線の心線数(電線本数)43問8.3%約1.7問
差込形コネクタの最少個数26問5.0%約1問
複線図系 合計115問22.1%約4.4問

出典:資格クエストDB(2015〜2024年の26セッション1,300問を集計)。2026年4月時点。

1回の試験(配線図20問)のうち、複線図系問題は平均約4〜5問を占めます。合格ライン(全50問中30問正解)を狙う場合、複線図を攻略するだけで配線図パート の20〜25%が確実に取れる計算です。

技能試験でも複線図は必須

技能試験(全13課題)では、施工前に複線図を自分で書いてから配線するのが標準的な手順です。電気技術者試験センター(shiken.or.jp)が公開している技能試験の候補問題にも、単線図のみが掲載されており、 複線図への変換が受験者に求められています(確認日:2026年4月18日)。 学科で複線図を身につければ、技能の準備コストを大幅に削減できます。

複線図を書く5ステップ手順

複線図は手順が決まっており、この順番を守ればどんな回路でも必ず正しく描けます。慣れると単極スイッチ1個の回路なら2〜3分、3路スイッチを含む回路でも5分以内で描けるようになります。

1電源線(接地側・非接地側)を引く

電源から2本の線を引きます。非接地側(黒線・L)を上、接地側(白線・N)を下に描くのが慣例です。この段階では電源とアース記号だけ書けばOKです。

2接地側(白線)を照明器具・コンセントに直接接続

接地側(白線・N)は、すべての照明器具とコンセントに直接つなぎます。スイッチを経由しません。 「白線はスイッチを通らない」——これが複線図の根本ルールです。 コンセントが複数あればすべてに白線を引きます。

3非接地側(黒線)をスイッチ・コンセントに接続

非接地側(黒線・L)は、スイッチの片端子とコンセントに接続します。 照明器具には直接つながず、スイッチを経由させます。 コンセントは白線と同様、黒線も直接引きます(スイッチ不要)。

4スイッチと対応する照明器具を接続(スイッチの戻り線)

スイッチのもう一方の端子から、対応する照明器具へ電線を引きます。この線を「スイッチの戻り線」と呼びます。実際の工事では白線を使いますが、 試験の複線図では黒線(非接地側色)で描くのが正解です。 スイッチが複数ある場合は、対応関係(単線図の文字記号)を確認しながら引きます。

5電線本数をカウントしてリングスリーブ・差込形コネクタを選定

複線図が完成したら、各ジョイントボックス内で束ねる電線の本数を数えます。電線本数と線径(1.6mm / 2.0mm)からリングスリーブのサイズ(小・中)と 圧着刻印(○・小・中)が決まります。差込形コネクタは束ねる本数=コネクタの極数に対応します。

頻出パターン3選——単極・3路・4路スイッチの複線図

パターン1:単極スイッチ(最も基本)

スイッチ1個・照明1個の最も基本的な回路です。ジョイントボックス内の接続は次の3点のみ: (1)電源白+照明白、(2)電源黒+スイッチ黒、(3)スイッチ戻り+照明への黒線。 リングスリーブは「1.6mm×2本=刻印○」が2〜3箇所出ることが多く、試験では最頻出の構成です。

単極スイッチ回路の電線本数の目安

  • 電源 → ジョイントボックス間:2本(黒・白)
  • ジョイントボックス → スイッチ間:2本(黒・スイッチ戻り)
  • ジョイントボックス → 照明間:2本(スイッチ戻り・白)

パターン2:3路スイッチ(階段・廊下)

2ヶ所から1つの照明をON/OFFする回路で、3端子のスイッチを2個組み合わせます。 各スイッチは「0端子(共通)」と「1端子・3端子(切替)」の3極を持ちます。 スイッチ間には「1端子同士・3端子同士を結ぶ渡り線2本」が走り、 合計でスイッチ間の電線本数は3本(共通への往復1本+渡り2本)になります。 「3路スイッチ間の電線本数は何本か」は試験頻出問題のひとつです。

3路スイッチの間違いやすいポイント

0端子(共通)には非接地側(黒線)または戻り線が接続されます。 1端子・3端子は「渡り線」同士で結ぶため、どちらがどちらに対応するかを 単線図の文字記号で必ず確認してください。逆に接続すると回路が成立しません。

パターン3:4路スイッチ(3ヶ所以上の制御)

3ヶ所以上からの制御が必要なとき、2つの3路スイッチの間に4路スイッチを挟みます。 4路スイッチは4端子(1・2・3・4)を持ち、渡り線のクロス接続・ストレート接続を切り替えます。 4路スイッチ自体の複線図は「入り側2本・出側2本」の計4本を描くだけで、 3路スイッチの応用として理解できます。出題頻度は3路より低いものの、 技能試験の候補問題に毎年含まれるため確実に押さえましょう。

複線図が苦手な人の3つの誤り

誤り1:接地側(白)をスイッチに通してしまう

最も多いミスは「白線をスイッチ経由で照明に引く」パターンです。 白線はスイッチを経由せず、電源から直接すべての照明・コンセントに接続します。 黒線だけがスイッチを通過します。この原則を最初に叩き込むことで、 Step2(白線を先に全部引く)の意味が明確になります。

誤り2:接続点(ジョイント点)を見落とす

複線図では、電線が交差している点と「接続している点」を区別する必要があります。 交差は丸印なし、接続は丸印(●)をつけます。接続点の見落としは リングスリーブの数え間違いに直結します。複線図を書き終えたら、 ジョイントボックス内のすべての「●」を数えてスリーブ数を確認する習慣をつけましょう。

誤り3:渡り線をジョイントボックス外と混同する

スイッチ内部の渡り線(複数スイッチを結ぶ接続)は、 ジョイントボックス内を通る電線本数に含みません。 「ジョイントボックスを通過する電線の本数」を問われたとき、 スイッチ間の渡り線を誤ってカウントすると答えが合わなくなります。 ボックスの境界を意識して、どの線がボックス内を通るかを確認してください。

複線図から読み取るリングスリーブ・差込形コネクタの選定

複線図が書けたら、ジョイントボックス内の接続本数を数えてスリーブサイズを確定します。 試験では「リングスリーブの種類と数」「差込形コネクタの最少個数」の2タイプがセットで問われます。

接続する電線の組み合わせリングスリーブサイズ圧着刻印
1.6mm × 2本
1.6mm × 3本、または 1.6mm × 1本 + 2.0mm × 1本
1.6mm × 4本、または 2.0mm × 2本
1.6mm × 5本以上、または 2.0mm × 3〜4本の混在

参考:内線規程1340-1(リングスリーブの適用)。試験では「1.6mm×2本=○、それ以外の小サイズ=小」と整理しておくと迷わない。

差込形コネクタの選定

差込形コネクタ(ワゴ形)は、リングスリーブの代替として使えますが、 束ねる電線本数に合ったサイズ(2極・3極・4極・5極)を選びます。 試験では「最少個数で使うなら何個か」を問われるため、 同じ本数でまとめられる接続点を合算する必要はなく、 ジョイントボックス内の束単位でそれぞれカウントします。

技能試験への橋渡し——学科で習得した複線図がそのまま使える

第二種電気工事士の技能試験は、公表された13課題の候補問題からいずれか1問が出題されます。試験当日の流れは「候補問題(単線図)を受け取る → 複線図を書く → 実際に配線する → 40分以内に完成させる」です。

技能試験での複線図作業の目標時間

  • 単極スイッチのみの課題:2〜3分以内
  • 3路スイッチを含む課題:4〜5分以内
  • 残り35〜38分で配線・施工を完了させる

学科試験で「心線数の問題」や「リングスリーブの問題」を繰り返し解くことで、 複線図変換は自動化されていきます。学科の勉強が技能の準備を兼ねるため、 複線図は「学科と技能で学習コストを共有できる唯一の分野」と言えます。詳細な学習スケジュールは3ヶ月合格ロードマップで確認できます。

配線図分野全体の攻略戦略(図記号暗記→複線図→個別論点の3ステップ)については、配線図分野のデータ分析・攻略ガイドも合わせて参照してください。配線図520問の設問タイプ別ボリュームと優先順位を詳しく解説しています。

まとめ

複線図攻略のポイントを4点に絞ります。

  • 複線図系問題は配線図520問の22.1%(115問)——リングスリーブ46問・心線数43問・差込コネクタ26問がセットで取れる
  • 5ステップ手順を守れば必ず正しく描ける——「白線を先に全部引く→黒線でスイッチを接続→スイッチの戻り線→本数カウント」の順序を体に覚えさせる
  • 3路スイッチはスイッチ間3本が基本——共通0端子の位置と渡り線2本の接続を正確に理解すれば、4路スイッチも応用で解ける
  • 学科の複線図練習が技能試験の準備を兼ねる——技能試験13課題すべてに複線図変換が必要。学科で習得する費用対効果は最高クラス

複線図は最初こそ手が止まりますが、10〜15回書けば手順が自動化されます。 1日1回路を書く習慣を2〜3週間続けることが、最も確実な習得法です。

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