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第二種電気工事士

第二種電気工事士「配線図」の出題傾向と攻略法【過去10年520問を分析】

第二種電気工事士学科試験の配線図は全体の40%(1回20問)を占める最大分野。過去10年26回分520問を分析し、図記号32.1%・複線図系22.1%の内訳、JIS C 0617に基づく頻出記号グループ、データに基づく3ステップ攻略戦略を解説します。

公開 2026年4月17日10
第二種電気工事士学科試験の「配線図」分野は、1セッションあたり20問(全50問中の40%)が出題される最大の得点源である。本記事では、電気技術者試験センター発表の出題範囲と、資格クエストDBに収録された過去10年・26回分・配線図カテゴリ520問を実データで分析し、「どんな設問が/どれだけ出ているか」「攻略のために何から手をつけるべきか」を客観的に解説する。

配線図は学科試験の40%を占める最大分野

第二種電気工事士の学科試験は全50問で構成されます。その出題範囲は7分野に区分されますが、分野ごとの問題数は均等ではありません。資格クエストが過去10年(2015〜2024年)26セッション・1,300問を集計した結果、分野別のボリュームは次のとおりです。

分野10年間の問題数割合1回あたり
配線図 ★520問40.0%20問
電気機器・配線器具・材料・工具212問16.3%約8問
電気に関する基礎理論131問10.1%5問
配電理論及び配線設計130問10.0%5問
電気工事の施工方法129問9.9%5問
一般用電気工作物の検査方法101問7.8%約4問
一般用電気工作物の保安に関する法令77問5.9%3問

出典:資格クエストDB(2015〜2024年の26セッション1,300問を集計)。2026年4月時点。

配線図が1分野だけで全体の40%・1回につき20問を占めるのは、第二種電気工事士試験の大きな特徴です。合格ラインは60点(30問正解)ですから、配線図で15〜18問取れれば、他分野で多少取りこぼしても合格圏内に入ります。逆に配線図を落とすと、他分野を満点近くまで引き上げても合格が難しくなります。

配線図20問はどう構成されているか

学科試験の配線図問題は、1枚の住宅用配線図(A3相当)に対して20問が紐づく独特な構成になっています。試験冊子の後半(問31〜問50相当)に配置され、同じ図面を読みながら20問を順に解いていきます。設問は「①で示す〜」「②で示す〜」のように図中に打たれた番号と連動します。

では、20問の中身はどう分布しているのか。資格クエストDBの配線図520問を問題文の特徴で分類すると、次のようになります。

設問タイプ問題数割合
図記号の名称・用途を問う(〜で示す記号は/〜の名称は)167問32.1%
リングスリーブの圧着・刻印・最少個数46問8.8%
心線数(電線本数)43問8.3%
接地工事・接地抵抗の種別33問6.3%
コンセントの極数・定格29問5.6%
差込形コネクタの最少個数26問5.0%
使用されることのない器具・工具24問4.6%
点滅器・最少点滅回路数21問4.0%
使用電線・ケーブルの種類5問1.0%
許容電流・電線の最小太さ5問1.0%
その他(使用器具鑑別・漏電遮断器等)121問23.3%

データ:資格クエストDB配線図カテゴリ520問を問題文パターンで分類(2026年4月時点)。

注目すべきは「図記号の名称・用途を問う問題」が167問(32.1%)で最大ボリュームを占めていることです。配線図分野の約3分の1は、ひと言で言えば「この記号、何?」というストレートな暗記問題です。これが配線図攻略の第一関門になります。

最大の得点源は「図記号の暗記」

配線図に登場する図記号は、JIS C 0617「電気用図記号」および内線規程で定められた住宅用配線図記号に準拠しています。試験で問われる記号は、出題範囲上は数十種類ありますが、実際の試験で頻出するのは40〜50種類程度に収束しており、すべて丸暗記するのが最短ルートです。

頻出する図記号を用途別に分類すると、おおむね次の6グループに整理できます。

グループ代表的な記号が表すもの覚える視点
照明器具引掛シーリング、ペンダント、シャンデリア、屋外灯、白熱灯、蛍光灯、LEDランプ、埋込器具天井取付/壁取付/屋外の区別
コンセント一般用、接地極付、接地端子付、20A/30A、200V、防雨形、抜け止め形定格電流・電圧・接地の有無
点滅器(スイッチ)単極、3路、4路、位置表示灯付、確認表示灯付、自動点滅器、遅延スイッチ極数・配線本数との関係
分電盤・開閉器分電盤、配線用遮断器、漏電遮断器、電流計付箱開閉器、電磁開閉器、タイムスイッチB/E/BE/Sの刻印の意味
配線・ボックス天井隠ぺい配線、床隠ぺい配線、露出配線、アウトレットボックス、プルボックス、VVF用ジョイントボックス実線・破線・点線の区別
機器・その他電動機、換気扇、電流計、電圧計、火災警報器、接地端子、接地極、ルームエアコン文字記号(M, F, A, V, EE)の意味

記号そのものを文字で再現するのは誤解を招きやすいため割愛しますが、公式・準公式の資料として電気技術者試験センター「第二種電気工事士 学科試験 試験案内」日本産業標準調査会(JISC)で公開されている JIS C 0617を確認するのが最も確実です。実際の試験で出題される記号は、過去問を解きながら視覚的に覚えるのが効率的です。

第二の山は「複線図」系問題(合計115問・22.1%)

図記号の暗記を終えた次に立ちはだかるのが、複線図を頭の中で描いて解く問題群です。単線図で示された配線を複線化し、ジョイントボックス内の接続を推測する必要があります。

配線図520問のうち、複線図系の出題は以下の合計で115問(22.1%)を占めます。

  • リングスリーブの圧着接続・刻印・最少個数:46問(8.8%)
  • 電線の心線数:43問(8.3%)
  • 差込形コネクタの最少個数:26問(5.0%)

これらの問題はパターン化された出題が多く、解法を定型化できるのが特徴です。具体的には次のステップで解きます。

  1. 配線図の該当部分を切り出して、単線を複線に展開する(接地側/非接地側/スイッチへの戻り線)
  2. ジョイントボックス内で束ねる電線の本数と太さ(1.6mm/2.0mm)を数える
  3. リングスリーブの使用表(JIS C 2806)と照合し、小/中/大のサイズと刻印(○/小/中)を決定する
  4. 差込形コネクタなら、電線の本数=コネクタの極数に対応させる

リングスリーブの圧着刻印ルールは経済産業省「電気設備に関する技術基準を定める省令」の下位基準である内線規程1340-1(リングスリーブの適用)に根拠があります。1.6mm×2本は「○」、1.6mm×3〜4本または2.0mm×2本は「小」、と段階的に覚えるのが基本形です。

配線図は「画像なしで学習不可」の分野

資格クエストDBに収録された配線図520問のうち、512問(98.5%)に配線図本体または写真が付随しています。選択肢側にも写真や図記号画像が使われている問題が267問(51.3%)あり、配線図分野はテキストのみの学習教材では対応が極めて難しい構造になっています。

項目問題数割合
問題文に画像(配線図・写真)がある512問98.5%
選択肢に画像(写真・記号)がある267問51.3%

教材・学習アプリ選定では実際の配線図画像と工具・器具の写真が正確に収録されているかを必ず確認してください。文字だけで「引掛シーリング(角形)」「白熱灯ペンダント」と書かれていても、実際の試験で問われる記号のビジュアルは覚えられません。

データから導く3ステップ攻略戦略

配線図520問の分析結果から、効率的な攻略順序は次の3ステップにまとめられます。

ステップ1:図記号の暗記(目標:配線図20問中 6〜8問を確実に)

配線図167問(32.1%)を占める図記号問題を最優先で潰します。グループ別(照明・コンセント・点滅器・開閉器・配線・機器)に分けて覚え、過去問を解きながら目に焼き付けるのが効率的です。ここが取れるかどうかで合格ラインへの距離が大きく変わります。

ステップ2:複線図・リングスリーブ(目標:配線図20問中 4〜5問)

リングスリーブ圧着(46問)・心線数(43問)・差込形コネクタ(26問)の計115問は、複線図が描ければセットで解けます。複線図の描き方自体は技能試験でも必須なので、学科と技能で学習コストを共有できる「一粒で二度おいしい」領域です。

ステップ3:個別論点の積み上げ(目標:配線図20問中 4〜6問)

接地工事(33問)・コンセントの定格(29問)・点滅器回路(21問)・使用されない器具(24問)など、設問タイプごとにルールが違う問題を個別に潰します。ここは過去問を年度横断で解き、同じ論点が何度も問われていることを体感するのが近道です。

この3ステップで配線図20問中14〜19問を狙える計算になります。合格ライン(全50問中30問正解)に対し、配線図だけで合格点の約半分を確保できるため、他分野の失点を許容できる余裕が生まれます。

まとめ

第二種電気工事士学科試験の配線図分野について、実データから見えることをまとめます。

  • 配線図は全体の40%(520問/1,300問)——1回の試験で20問が出題され、合格点30問のうち大半をカバーできる最重要分野
  • 内訳の32.1%は図記号問題——配線図攻略の第一歩は記号の丸暗記。頻出は40〜50種類
  • 複線図系(リングスリーブ・心線数・差込形コネクタ)は22.1%——定型解法で潰せる。技能試験とも知識を共有できる
  • 98.5%の問題に画像が付随——文字だけの教材は実質的に使えない。画像付きの過去問演習が不可欠

配線図は出題ボリュームが大きい分、反復練習の効果がそのまま得点に反映される分野です。過去問を繰り返し解き、図記号→複線図→個別論点の順で積み上げれば、学科試験の合格は現実的な目標になります。

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